新聞・取材

時宜を得た事業展開

平成24年1月18日 オートメレビュー

業界の社会的地位向上へ 時宜を得た事業展開

昨年は、世界史に残るような出来事が多発しました。昨年3月11日の東日本大震災、そして東京電力福島原発の事故、海外ではユーロ圏の債務危機、米国の財政赤字問題、急激な円高、タイ洪水などが発生しました。世界が、自然界の秘めたるエネルギーに対する畏怖の念と、世界市場による人・モノ・金の移動速度の速さへの戸惑いを抱いた1年でした。
配線資材業界も少なからずその影響を蒙りました。
リーマンショックを引き金に起こった世界同時不況から、ようやく立ち直り回復を見せているときでした。大震災でサプライチェーンが崩壊し、供給面でかなり制約を受けました。日本経済がデフレ基調の中で、節電要請にも対応しなければなりません。
こうした内外状況下で、当工業会はかねてから取得申請中の一般社団法人格が4月に認可され、公的な法人としての形態が整いました。
2012年のわが国経済は、円高およびデフレ基調が続くと思われます。そのため、消費低迷、設備投資の弱含み推移が懸念されます。海外では欧州の金融問題で緊迫した状況が引き続くことにより中国や新興国にまで波及し経済成長が鈍化するものと予測されています。
ただ、大震災復興投資の本格化、ITとエレクトロニクス技術を応用展開するスマート社会に向けてのインフラ再整備投資など配線資材業界に追い風となる材料も見受けられます。
今年は、当工業会が一般社団法人として活動を展開する初の重要な年に当たりますので、会員による会員のための工業会として業界の成長発展に取り組みます。社団法人にふさわしい、会員ばかりでなくユーザーまで利点を共有できるよう時宜を得た事業を展開し、工業会の価値をさらに高めて参ります。
まず、化学物質管理規制がますます強まりますので、電機・電子業界も推進するJAMP化学物質管理セミナーを昨年に引き続き開催し、会員会社の経費負担などの軽減化を図り経営基盤強化に役立てます。
次に、会員間のコミュニティー促進と会員の広報を兼ねたJWAA機関紙を発行する計画です。
第三に、環境問題、経済・経営に関する講演会等を開催します。
第四に、粗悪品の対策に取り組みます。
円高推移で粗悪品の流入増加の可能性が高まることが予測され、顧客の品質低下を招く恐れがありますので、顧客へ会員製品の採用を積極的に呼びかけます。
一般社団法人としてスタートを切る年であり、業界の社会的地位の向上に向けて意欲的に事業を展開する所存ですので、引き続き一層のご支援とご協力をお願い申しあげます。

一般社団法人 日本配線資材工業会
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