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化学物質管理への取組み強化

平成22年1月20日 オートメレビュー

化学物質管理への取組み強化

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 昨年は非常に厳しい経営環境が続きました。米国発の世界同時不況から丸1年を経過しましたが、世界経済は新興国の復興策により改善の方向にあるものの、予断は許されない状況が続くものと見られます。世界は、不況をきっかけに各国、とりわけ先進国と新興国の産業構造の変化が顕著になり、新しい時代への対応力が国家の盛衰を左右する非常に重要な転換期に差し掛かっています。わが国産業構造の将来が展望できるまで、まだ時間を要するものと思われ、個人消費、企業業況、雇用情勢、設備投資の先行き改善は楽観視できません。
 わが国は家電製品、車でのエコ対策、省エネルギー、太陽光発電などにより若干経済政策の効果が出ておりますが、限定的といえます。また、中国、韓国、台湾など東アジア地域での景気回復に伴い、半導体製造装置など設備関連が上向き始めておりますものの輸出関連であり、内需型産業の振興には及んでいないのが実情です。
 このような厳しい経済環境の中で、配線資材業界もまた引き続き難しい経営の舵取りを強いられそうです。
 当工業会は、昨年1月に「品質・技術力の向上はもとより経営基盤の強化、社会的地位の向上を図り、活力に満ちた魅力ある産業」を目指して製造・販売会社が参加して設立、公的組織としての形を整えながら対外的アピールや会員情報の交換などを行ってまいりました。
 今年は会員企業に直接お役に立てる異体的な事業を展開し、配線資材業界の将来展望を拓く土台を築きます。具体的には5項目を重点的に取り組みます。
 第1は、「化学物質管理調査の共通フォーマットの作成」です。
 現在、配線資材各社にいろいろな業種のお客様から化学物質管理の調査要求が増えていますが、業界や企業ごとに内容が異なり、配線資材を製造・販売する側にとっては極めて人的及び経済的な負担が大きくなっています。当工業会は業界の課題として採り上げ、会員の負担を軽減し、またお客様への便宜を図るために「化学物質管理調査のフォーマットを統一」します。貿易障壁になることが懸念されるREACH規制に関して、業界共通の課題としてまとまり対応することは、業界はもとよりお客様にとっても有意義なことと思われます。
 第2は、「化学物質調査への対応ガイダンスの作成」です。
 配線資材業界として、化学物質調査要求への対応ガイダンスを作成し、普及を図ります。
 第3は、経営や人材育成に役立つセミナーや講演会を開催します。
 第4は、配線資材業界の成長発展に必要な情報交換と懇親会を開催します。
 第5は、配線資材業界の地位向上と製販共栄を図るために、会員増強の活動を積極的に推進します。
 配線資材工業会は、業界が社会的に認知され成長発展するための諸事業を意欲的に展開してまいりますので、当会への一層のご支援を賜わりますようお願い申し上げますとともに、会員のご発展を祈念いたしまして、新年のごあいさつとさせていただきます。

 

日本配線資材工業会 会長 髙橋信房

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